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小さな双子の女の子たちとその両親のために、家族を包み込むような家を造ろうと思った。
敷地は多々良沼から1Kmほど北に位置し、3,40年ほど前に造成されたであろうと思われる土地を3つに分けたうちの南側である。敷地南側には水路が走り、東側の田んぼとは1m程の高低差があり、遠く館林美術館を望むことが出来る。
キッチンを北西の角に置き、そこから1階のすべてが見渡せるようなワンルーム空間である。中央にオープンな書斎ボックスを設け、各エリアがゆるやかに分節されている。
南側の和室からワークスペース、リビングへとのつながりの延長には大きな壁と大きな屋根とに包まれた土間空間がある。土間空間はバルコニーを含めた2層の空間で、吹き抜けと共に内部のような外部を造り出している。日常の中でリビングの延長として、また安心して遊べる子供達の場所として機能するよう、より室内空間に近い存在として外部を引き込んだ。
吹き抜けを介してつながる2階は、内側を無柱空間とし、ウォークインクローゼットにて各室を分け、屋根が全体をやさしく覆っている感覚を強調している。
敷地南側には水路の手前に土手山を造り、外部庭空間を建物土間空間と土手山とで包み込むことにより、庭における安心感をあたえた。また、内部からの眺めに対し、土手山という近景を造ることにより、視線がより遠くへと伸びるようにした。
空間全体の包容力により、家族の生活が内部のみに留まることなく、容易に外部へと拡がり、安心して内外を行き来し、外部を引き込むように営まれればと思う。
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所 在 地 群馬県館林市
構 造 木造在来工法
敷地面積 430.00u
建築面積 104.29u
延床面積 164.45u
構造設計 鈴木啓/A.S.Associates
施 工 +KRM
写 真 鳥村鋼一
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