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井野の家

敷地は駅近くの割には比較的余裕をもって住宅が建つ古くからの住宅地で、所々に畑なども点在する。親兄弟などが住むご実家敷地の裏の土地に建つ単身者の為の住宅である。なじみのある土地で、周りに知り合いが多い中で家の開き方、開き具合を考えた。中の様子が全く分からないような囲い方では拒絶感が過ぎるし、見えすぎても落ち着かない。

建物をコの字にすることで、奥まった部分で見えすぎないように大きな開口を取り、光や風を建物奥まで取り入れることができ、中庭を挟むことで内部からも緑などを楽しむことが出来る。端部は水廻りと寝室だが、浴室前には緑豊かなテラスを高い壁で囲むことにより、思い切った開放感と内部の延長のような繋がりを得ることが出来る。寝室前のテラスは背の高い花壇で囲み、プライバシーを確保するのと同時に草花に包まれたゆったりとした場を造り出している。朝、目を覚ますと目の前に花壇の草花を見ることが出来る。
木漏れ日が床に落ち、ゆったりとした時間が流れ、夜はやさしい光を周囲にもらし家主の存在を伝えている。


所 在 地     高崎市
構 造 木造在来工法
敷地面積  187.94㎡
建築面積    76.87㎡
延床面積   75.35㎡
構造設計 桑子亮/桑子建築設計事務所
施  工 ㈱オムニバス
写  真   鳥村鋼一
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