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加須の家


幹線道路沿いに発達した工場地帯を抜けると、田んぼの風景が拡がる。田園風景の中に澱みのように散在する集落の内に 敷地はあり、集落の中を網目のように走る道路と田に挟まれている。遮るものの無いその敷地は、内から周囲へ拡り、一方、様々な方角から見られる。
そんな環境の敷地に造りだしたのは、様々な方向を持つ建物。 用途や居場所をそれぞれ持ったボリュームを角度を持って配 し、内に造られる空間を通り土間とした。土間は各エリアの ボリュームへ多方向へ拡がると共に、ボリューム同士のすき 間から外へとつながる。 ボリュームの存在により、いつもいる内側の居場所は、外部 から護られ、より落ち着いた場所となる。各ボリュームはそれぞれ異なり、水廻りの場、子供達の場、主寝室の場、リビング・ダイニングの寛ぎの場となっており、内部土間を介しそれぞれの場を行き来する。
少し閉じつつも、内から拡がる場で子供達がのびのびと活動し、元気に成長していってくれたらと願う。


所 在 地  加須市戸室
構   造 木造在来工法
敷地面積 596.75u
建築面積 171.90u
延床面積 160.72u
構造設計 桑子亮/桑子建築設計事務所
施   工 安松託建
写   真 鳥村鋼一

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