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敷地は館林の中心より一駅ほど離れたところに位置し、周囲には大きな欅などの樹木が散在するようなのどかなところで、計画地には大きな桜の樹がその枝葉を広く低くたれていた。
施主家族が、母親と共に暮らしてきた母屋の北側に若世帯の住居を建てる計画である。
母屋との行き来、その距離。母屋とは別の来訪者のアクセス。敷地内の空地への開き方などを考慮し検討した。
母屋の敷地を通らずにアクセスできる様、西側道路側に来訪者用の玄関を設け、母屋との行き来や東側に広がる庭での活動(子供達の遊びやご主人のゴルフ練習)これらの出入りのための場所として第2のエントランスを、リビングゾーンと子供室ゾーンの2つのヴォリュームに挟まれ入り込んだ庭続きの土間に設け、外部からのアクセスを建物中央へと入れ込んでいる。
内部は、外部との接続の為の土間を中心とし、北側にキッチン・リビングゾーン、南側に子供室・寝室ゾーンとし、家族が多くの時間をすごす空間を敢えて母屋との距離をとることにより、お互いが気兼ねなく暮らせるよう配慮した。
リビングゾーンでは、高めに設けられたFIX窓により桜を眺めることが出来、タタミコーナーで横になると、まるで桜の樹の下に寝そべっているかのように桜を見上げることが出来、季節を通して桜を身近なものとして感じることが出来る。
南側は子供ホールを中心に各個室エリアを放射状に配し、大きな屋根で包み込むことにより、拡がりと求心性を造りだしている。各個室エリアは低くなりつつある屋根により安心感と落ち着きを持たせ、子供達が跨いで出られるくらいの窓をそれぞれに設ける事により、外への拡がりを強めると共に身体的なつながりをつくりだした。
自由奔放な子供たちが、多趣味なご主人と共に中から外へと走り回り、敷地全体を活気付ける。その中で、母屋に住む母親を含めてた家族が気兼ねなくより親密に暮らせていけることを願う。
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所 在 地 群馬県館林市
構 造 木造在来工法
敷地面積 426.47u
建築面積 144.91u
延床面積 143.19u
構造設計 鈴木啓/A.S.Associates
施 工 安松託建
写 真 鳥村鋼一
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